プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネージャの行動【成功するプロマネがやっていること】

今回は、プロジェクトマネージャーの仕事について書きます。

プロマネ、特にIT系のプロジェクトの話をもとにしていますが、別にプロジェクトのマネジメントだけではなく、一般的な仕事への取り組みでも同じ考え方をすることで、仕事の成功率は格段にあがると思っています。

 

成功するプロジェクトマネージャの行動

僕も数億のプロジェクトのPM経験まではあるのですが、もっともっとすごい人たちが世の中にはたくさんいて、僕も何人か知っています。

みんな魅力的で素晴らしい方々で、じゃぁプロジェクトはどうやってマネジメントしているんだろうと観察しても、人によってみんなバラバラで自分たちのやり方である意味好き勝手にやっていることも多いです。

もちろん、標準的なものはあるからそれは最低限守ってるのだけど、数十億単位のプロジェクトをまわすひとたちは、たいてい個性的で人の言うことなんか納得しないとまず受け入れたりしないです。

それでも、よくよく観察したら、できるPMはみんな同じ行動パターンをもっているんですね。その行動についてまとめてみました。全部で8つあります。

 

成功するプロジェクトマネージャーの行動8選

  1. 先を見通す(先読みして行動する)【先読】
  2. 決める(自分の責任で決定する)【決断】
  3. 調整する(ネゴシエーションを忘れない)【調整】
  4. 人が好き(メンバを気にかける、見ている)【人好】
  5. とにかくやりぬく(一度決めたことは曲げない)【頑固】
  6. 伝える(メンバーとのコミュニケーション)【伝達】
  7. 報告する(客や上司とは密接なコミュニケーション)【報告】
  8. 息抜きをする(息抜きの場がある)【息抜】

 

できるPMは先読みや対応の力がすごいです

そもそもプロジェクトが動き出す前に、発注元のお客様の体制や揃いそうなメンバを想定して、その体制でプロジェクトがはじまるとどうなるか推測しています。

もちろん手を打てる時は打ちますが、様々な事情で手をうてないこともあるわけで、そういうときはあえて問題を発生させたりします。

 

とある大規模プロジェクトでの実例

 

ある数十億のプロジェクトにPM支援にはいっていたときのこと

 

自分:「PMこのまますすめると、動くものはできても、性能がでなくて大変なことになります。設計を見直す必要があります

PM:「うるさいだまってろ!」

自分:「いやここは、このテスト結果から間違いないので作り直す担当を2人アサインお願いします。

PM:「そんなことは前から分かってた、いいからこのままいく」・・・【先読・頑固・決断

僕の言うことは全く聞かずにそのまま進め、その1か月後、想定通り性能がでずにトラブりましたが、大PMは平気な顔でお客様と交渉をはじめました。

PM:「先日お伝えしてたように性能がでない状況になっています。このままではお客様がこまりますよね。3人追加でアサインしますので、よろしくお願いします」・・・【調整・報告

なんと、前々から顧客とも調整していたようで、追加費用までもらってきた。

曰く「困るのは相手なんだから、こっちが強いんだ!」
だそうだ。そのくらいじゃないと、数十億のプロジェクトはまわせないのかもしれない。

もっというと、品質も悪いのを想定していたようで、お客様のテストの2か月以上前から品質強化の追加スケジュールも追加してくまれていた。

更には、お客様の体制を強化してもらってシステムのバグをつぶす手伝いまでしてもらうように手を回していた。・・・【先読

実を言えばこのシステム開発プロジェクト、失敗プロジェクトの建て直しをそのPMや僕も後から引き受けたもので、前に失敗したときの人たちが疲弊していたのでした。

いつもそのメンバーをPMは気にかけていたので、僕が追加で作業をお願いしたところで、「うるさい」と一蹴されたのです

うるさいと言われても、普段からいろいろなことは教えてくれるし、ご飯にもみんなと一緒につれていってくれるしで、人間関係ができあがっていたので、不思議に腹も立ちません。・・・【伝達・息抜

結局誰もが無理だと思っていたそのシステム、なんとか無事に立ち上がり、プロジェクトは成功のうちに幕を閉じました

このプロジェクトを経験することで、僕も大きく成長することができ、その後でかなり難易度の高いプロジェクトを無事立ち上げることができるようになりました。

そのときのPMの方はかなり前に定年を迎えているのですが、恩師の大PMに感謝です。

その時の一番大きかった僕の学びは、次のことです。
プロジェクトは問題をおこさせてもいいんだ、起きることを先読みして対応できるようにしてさえおけば問題ない。

億単位のプロジェクトを推進すると、どんなに気をつけていても問題のひとつやふたつは発生します。でも、先読みして対応策さえうっておけば怖くはないし、プロジェクトも成功に近づくものです。

自分の得意なマネジメントスタイルをもて

いろいろなプロジェクトマネージャー

恩師から聞いたのは、「プロジェクトをやるのは結局人間なんだから、プロマネできちんとプロジェクトをまわすには、人を好きにならないとダメだよ」という言葉。

たしかにPMは、会議の合間にプロジェクトのあちらこちらと回って歩いて、現場のひとりひとりの声に耳をかたむけていました。
人間味と政治・交渉力でプロジェクトを成功に導いていたのです。

冒頭にも書きましたが、いろいろなPMを見てきました

プロジェクト推進はあまり上手ではなく非効率なのに、なぜかお金を湯水のようにお客様から頂いてきて、結局プロジェクトが成功してしまうPM。

誰に何をいわれようと、有無をいわさず「やってね」という一言で、最後までやりきってしまうPM。

誰にもまねできない問題解決力で、問題がおきてもいつの間にか解決していて結局スケジュール通りにシステムが立ち上がるPM。

思いやりが半端ではなくて、誰もがそのPMを助けたいと思ってしまうので、みんなが頑張るからプロジェクトは常に成功してしまうPM.

 

全部、数億以上のプロジェクトをまわせる人たちで、でもみんな特徴があって、こうしてみると結局PMは、人を好きということもあるけれど、人間力なのかもしれません。

トラブルを誰かの責任にしたり、みんなのおかげではなく自分の力だけで立ち上がったんだというPMは、プロジェクトを失敗させていることが多く感じます

プロジェクトの標準はあって、組織的な監査もはいって、やることをきちんとやっていても、億単位のプロジェクトは100人単位の人がプロジェクトにかかわり、目標を達成しようとがんばるわけです。
その人の人間性も問われます。

最後までやり抜く
責任は自分、他人のせいにはしない
周囲に思いやりをもって接する
前向きに明るく

プロジェクトは精神論では語れない技術的にやることはたくさんあります。
しかし、PMとして大規模プロジェクトに挑むには、人間力を磨くことも忘れずにしたいところです

 

プロジェクトで困った時

これまでの自分の経験をもとに、プロジェクトのコンサル、ご支援、プロジェクトマネージャの育成などを実施しております。
もしプロジェクトでお困りの時はご相談ください。下記にリンクも貼っておきます。

https://simpleonesoft.com/project_support/

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