プロジェクトマネジメント 仕事

はじめてのプロジェクトリーダー【メンバーへの作業指示のやり方】

はじめてのプロジェクトリーダーというか、部下をもって指示を出すときも同じなのですが、どうやってお願いしたらいいかわからない、ということがあると思います

そんなときよく聞くのが、「とりあえず資料読んどいて」というものです。

それで、数日はかせげるから、その間に指示出す内容を考えようかと。

本人にしてみれば、「だって昨日突然いわれたから困ったし、経験ないし」とついつい愚痴の一つも言いたくなるケースかもしれませんが、もう少し工夫すると結果にも変化がでる、という話を書きます。

今回は、作業指示とその心得です。

 

はじめてのプロジェクトリーダーの指示の出し方

プロジェクトリーダー作業指示

プロジェクトでも、仕事でも一緒ですが、メンバーに指示を出すときの鉄則は、「作業に対しては、必ず期限を決めて、その期間の成果物(アウトプット)を求める」ことです

それからすると冒頭の「とりあえず資料読んどいて」というのは、2つの鉄則はずれがあります

1つめが、成果物がない。資料を読むというインプットだけで、アウトプットがありません。
2つめが、いつまでなのか納期の指示がない、とうことです。

ついでに言えば、「とりあえず」というのは、明らかに余計な一言ですが(笑)

 

まずは、アウトプットするということですが、これには3つの理由があります

 

1つめは、人間はインプットだけよりもアウトプットが伴う方が、学習成果は格段にあがるということです

人間の記憶の定着を示すものとしてよく知られている、エビングハウスの忘却曲線を示せば、

エビングハウスの忘却曲線

20分後には42%忘れている
1時間後には56%忘れている
9時間後には64%忘れている
1日後には67%忘れている
2日後には72%忘れている
6日後には75%忘れている
31日後には79%忘れている

 

この曲線にそった場合、せっかくインプットしても1日経過すると、およそ7割忘れているということになります

忘れないためには、定期的なインプットとアウトプットと言われています。正直、読む時間を使ってもらったのに、7-8割忘れられたのでは、その時間がもったいないです。

そこで、少しでも学習効果を高めるためにアウトプットをしてもらいます。

最初に読んで、アウトプットを作ることでおそらく何度か確認して、最後に報告してもらうことでさらに情報に再度触れることになります。

1度読んだきりよりは、はるかに学習効果があがることになります。

 

アウトプットの理由の2つ目が

インプットだけでアウトプットを求められないと、資料の読み込みに、どこまで真剣になるかわからない、からです

もちろん、やる気をださせてプロジェクトをけん引するのもプロジェクトリーダーの仕事ですが、はじめて会った方に対しては、何をすればやる気になってくれるかもはっきりとしません。

まずは、アウトプットを求めることで、成果をだしてもらう方が無難です。

 

アプトプットの理由の3つ目が

上の理由ともからみますが、他の部署から応援に来た人、他社の仕事もしている方、どんな方がプロジェクトにはいってくるかわかりません。

アウトプットの質によって、その人の資料のまとめ方を成果物やその報告内容からどのレベルの仕事ができるかを判断することができます

その中で仕事のスキルを掌握して、その後のプロジェクトへのアサインや指示の仕方に役立てることもできます。

 

アウトプットの次には、期限をもうけるということです

仕事に期限を設けるのはいうまでもないことで、英国の歴史学者のシリル・ノースコート・パーキンソン氏が提唱したパーキンソンの法則にこんなものがあります。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべてつかいきるまで増え続ける

期限をきらないといつまでも成果がでないのです

ある意味時間があれば、資料を漫然と読み続けて、エビングハウスの忘却曲線に従って、しっかり忘れる、ということを繰り返すことにもなりかねません。

仕事はすべからく期限を切る。

ビジネスマンにとっては当然のことかもしれませんが、お願いするときに忘れないようにしたいです。

むしろ逆に、期限のない依頼をされたら、「期限はいつまでですか?」と尋ねるのが基本です

 

プロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャーの役割

プロジェクト 役割

プロジェクトリーダー(プロジェクトマネージャも同じですが)は、メンバーが働く中で最大限の成果を出してもらう必要があります

限られた資源をどれだけ有効につかい成果を出すかが、リーダーやマネージャーに求められているのはいうまでもありません。

それに加えて、リーダーは、一緒に仕事をしてくれているメンバーに対しても責任があります

メンバーの時間を10時間使うのだったら、そのメンバーにとってもその時間が有効であるようにする、そこまでの責任があるものだと思っています

10時間使ったのに、3時間分の成果しか残らないか。
10時間分のフルで働いた成果物が残ったうえに、メンバーのスキルが向上したか

どちらが、お互いにとっていいことだと思いますか?

プロジェクトリーダーになり立てで、いろいろ頑張ったのに成果がだせないとき、

ついつい、「あいつが仕事ができないから、別の人にかえたい」いや「変えてください」

プロジェクトのマネージャーに進言して、実際に人をみていないマネージャーの場合、「はいはい」と変えてしまう。

僕はプロジェクトを自分でやるのに加えて、いろいろなプロジェクトの支援もしてきたので、そんな場面に遭遇したことが何度かあります。
というか、最初の頃の自分もやっていたかもしれません。

できていないのは、指示を出す側だったかも知れないのにです

僕は、リーダーとなったら、自分の抱えている範囲については、全責任があるものだと考えています。
メンバーができないなら、変えてもいいけど、変えるというリスクと責任もしっかり背負う覚悟が必要です

プロジェクトは全員スーパーマンが集まるということにはならないのが普通です。

自分と一緒に仕事をしてくれるメンバーの力をどれだけ引き出して、プロジェクトの目標を達成するかが大切なのです。

プロジェクトのすべてを自分事としてとらえて、自分のプロジェクトとしてやりきること

それができれば、そのプロジェクトが終わったときに、ひとまわりおおきくなった自分と出会えると思っています

 

プロジェクトの悩み事へのご支援

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