システム開発 プロジェクトマネジメント

プロジェクトの進捗管理【進捗管理は事前準備が大切】

プロジェクトの日々のコントロールの中で、進捗管理がしめる割合はかなり大きいです

今回は、その進捗管理をどうやってやるか、その方法について書いてみます。

管理するというけど、そもそもとのように管理するか?

チェック・確認はどうするのか等、プロジェクトのコントロールのポイントをまとめました。

興味のある方は、是非最後までお読みください。

 

プロジェクトの進捗管理と仕組みづくり

プロジェクトマネジメント,進捗管理

進捗管理は、納期・スケジュールに対してその遅れ進みを確認するものです。
ただし、プロジェクトの進捗は、納期だけを見ていればいいものではなくて、品質面、コスト、要員なども含めて、総合的にプロジェクトの状況を判断する必要があります。

プロジェクトの進捗を総合的に判断するためには、事前に進捗のベースとなる計画を立案しておく必要があります

計画は、大日程、中日程、小日程(WBS)などのスケジュールを意識しますが、進捗管理をしっかりやるためには、スケジュールだけでは不足しています。
品質、コスト、要員などを含めた状況を管理する以上、品質、コストも含めた計画になっている必要があります。

進捗を管理するとは、当初の計画からのズレを管理するということです

ギャップが発生したときに、そのズレ・ギャップに対して、どのように舵をきるのか、それこそが進捗のマネジメントだからです。

進捗管理で実施すること

1)から4)までに分類しましたが、1)、2)を進捗管理を始める前に事前に計画・準備しておき、2)の一部から3)以降が実際の進捗管理、課題などに対する日常のコントロールになります。
このように、事前の仕組みを準備しておくことがプロジェクトを円滑に進めるには重要なことになってきます。

1)管理指標の設定
2)レビュー評価準備
3)進捗状況の評価
4)問題・課題への対応

それぞれについて、説明します。

1)管理指標の設定

・所要工数の正確な見積り
・成果物の明確化と成果物の完成度合いの指標化
・品質指標の設定

まずは、管理指標は、進捗管理を始める前には設定しておく必要があります。
この管理指標に従って、進捗の遅れ進みをみていくからです。

中日程は、日別のWBSに落とし込みます、そのためには各タスクの所要工数を見積もっておく必要があります。
また、一定規模以上のプロジェクトでは進捗管理を客観的に数値化したほうが、全体の状況をとらえることができるため、成果物を明確にして、進捗度合いを客観的に判断することができるように定義します。

設計工程であれば、例えば、

設計書を、着手で、レビュー、完了、で1本につき3ポイントにする
目次単位に分割して、1項目1ポイントにする。とかいくつかの方法があります。

ようするに、客観的な数値化をするためには、成果物で分割し、その成果物に対して、タスク上のチェックポイントがあれば、そのチェックポイントをクリアすこととを1ポイントとするというのが1例です
あまり、あまり細かく区切ると管理が煩雑になるし、着手と完了のみにすると、進捗の客観的な視える化が難しくなるため、プロジェクトの規模を考慮しながら、どの程度の管理指標にするかは、プロジェクトマネージャが判断しておく必要があります。

進捗は少なくとも週次では押さえると考えれば、1週間(5日)程度で各作業メンバーの数値に変動があるように区切るのがいいと思います。

2)レビュー評価準備

・実績データの定期的な収集
・レビューのタスクへの折込み
・レビュー結果の視える化(ツール活用)

プロジェクトの品質は、各工程で作りこむのが基本的な考え方になります。

そのためには、レビューも必要になります。レビューポイントは、タスクに表すようにします。

成果物の作成と、レビューで担当が変わるためタスクにあらわしてください。各担当者は成果物を次々と作成しているのに、レビューアーが多忙でプロジェクトを遅らすネックになることはよくあります。

最終的なWBSでは、担当欄は、必ず1人、個人名にすべきです。それにより、プロジェクトのどこに課題があるかが視える化され、課題に対して対策をうちやすくなります

また、プロジェクトの規模に応じ、1)で定義した成果物の進捗状況に応じて、結果を視える化する仕組み(ツール)を事前に用意しておく必要があります。
プロジェクト管理ツールを利用するか、EXCELなどに結果を入力することで視える化していきます。

3)進捗状況の評価
・個人別、タスク別状況からプロジェクトの状況把握
・定量的な問題の把握
・現在の問題点の視える化

進捗管理といえば、実際にはこの3)と次の4)が日常のコントロールで実施することになりますが、これを実施するためには、既に述べた1)、2)の準備が重要になります。

それができていれば、あとは、定量的な視点で遅れ進みを把握、個別に発生した問題を視える化して対応していきます。

ここでいう進捗の状況を判断する視点をあげておきます

大切なのは、問題を点ではなく連続する線としてとらえ、それが一時的なものなのか、悪くなる兆候なのかを予測することです。

・スケジュール遅延が進んでいるか
・計画以上に要員を投入し続けているか
・品質の悪化が進んでいるか
・納期調整の課題や問題が増加しているか
・体調不良/休暇取得の要員が増加しているか

このような兆候が見え始めたら、プロジェクトが破綻するまえに早急に手をうつ必要があります

 

4)問題・課題への対応
・スケジュール遅延の原因分析
・体制強化、モチベーションアップ
・プロジェクトにおける調整作業

個々に発生した課題・問題に対して、対策を検討して対応していきます。
この部分が、マネージャー、リーダーとしての中心の仕事になってきます。

 

プロジェクトの状況判断と調整対応

プロジェクトは、一定の判断をもってステークフォルダーとの調整を実施していく必要があります。

その必要性を判断するポイントについて下記に列挙します

・プロジェクトの目標が現実的で達成可能か
・プロジェクトの予算枠内での開発が可能か
・マイルストーンに影響があるレベルのスコープ変更が発生してないか
・今後のタスクは、残りの期間内で実施可能か
・プロジェクト実施の体制は機能しているか
・ユーザ側の体制に変動はないか
・計画からの遅延度合いを正確に認識できているか
・課題の未決事項の解決目途はあるか

上記の視点でプロジェクトの状況を判断し、計画に重大な影響がある、つまり遅延の可能性があるとか目標達成困難と想定された場合には、報告は当然ですが、調整していく必要があります。

契約した以上なにがなんでもやりきる、確かにその通りだし、達成できない状況を作り出さないのが最も重要なことです。

それでも、目標達成が困難と判断されるときには、臆せずプロジェクト内でステークフォルダーとの調整を実施すべきです。

レベル1)納期/品質にギャップが発生
・要員再配分
・時間外労働

レベル2)納期/品質のギャップ対応が困難(一般的なレベル1での対応困難)
・スケジュール見直し
・規模・スコープ縮小

レベル3)コントロール不能(プロジェクトの基本的な計画修正が必要)
・プロジェクト計画の再作成
・追加費用、計画の承認

レベル4)最終手段
・管理体制の見直し
・プロジェクト体制の再構築

レベル1は、プロジェクト内で普通に発生することですので、マネージャーの裁量で調整してください
このレベルで止めることができたプロジェクトは、コストオーバーが許容範囲内に抑えることができさえすれば、成功プロジェクトになります。

レベル2、3については、その失敗の費用、期間などによっては、厳しい評価をもらうこともありますが、次に活かせれば本人にとっては良い経験なのだと思います

大切なのは、最後までやりきって、失敗の原因をきちんと考え、再発防止につとめることだと思っています。

プロジェクトは立ち上げることが、お客様に臨まれていることだと考えます。

レベル4の体制の見直し、再構築は、失敗プロジェクトに位置付けられるものかもしれません

ただ、実際現在でも半数のプロジェクトは失敗に終わることが多いです。

2018年、日経コンピュータの1754件のプロジェクト調査(システム開発以外の建築プロジェクト等も含む)では、
成功:47.2%
失敗:52.8%

でした。

失敗が発生することが問題なのではなく、それから何を学び再発防止がとれるかだと思います

 

このブログでは、プロジェクトを成功に導くための数々のヒントを伝えていきます。

そのノウハウが、プロジェクトの成功に多少でもお役にたてたら、こんなに嬉しいとはありません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後も、有益な情報をお伝えできるように考えていますので、よろしくお願いいたします。

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