プロジェクトマネージャーになるのに必要な資質は何か?
実際のプロジェクトマネージャーは、それぞれみな違う個性を持っています。
それぞれがみんな、自分の得意な分野で勝負しているのです。
今回は、実在する大規模プロジェクトをまわせるプロマネの特徴やプロマネ像からその秘密を探ります。
実在するプロジェクトマネージャー像
プロジェクトマネージャー(プロマネ、PM)は、みな個性があります。数億以上の規模の大きなプロジェクトをまわせるのにみんな、違ったやり方をしているように見えます。
スケジュールの立案方法とか課題管理方法などの基本的なプロマネスキルがあるのは当然として、どうもそれだけでプロジェクトを推進しているわけではなさそうです。
実際に僕が知っているプロマネを分類すると、おおきく4つに分けられそうなので、今回はそれを説明します。
プロジェクトマネージャーの4つの型
・人間力型
・コミュニケーション型
・技術力型
・チーム団結型
それぞれについて、説明します。
・人間力型
人間力型のPMは、プロジェクトを推進するときに、一見すると強引にもみえる力でプロジェクトをひっぱり、一定の方向に進めるという特徴があります。
・素早い決断力
・責任はしっかりとる
・決めたことは曲げない
プロジェクトも大規模になれば、日々決断の連続になります。時には間違った決断をしてしまうこともありますが、決めたことは強引にその方向に進めます。
このタイプのPMは何人か知っていますが、数十億の大規模なプロジェクトをまわせるPMは、大なり小なりこの傾向はあるように思います。
プロジェクトの選択が間違いだったことが明らかな場合もありますが、それでも、よほどプロジェクトが問題になるとき以外は、間違いだったことなどおくびにも出さず、最後まで方針を変えずに進めるタイプが多いです。
前に進めるなら、その道をとにかく人間力で突き進むタイプです。
(このタイプの注意点)
人間力がない場合に真似だけしても、誰もついてこないでプロジェクトが進まなくなり、終わります。
この人についていけば大丈夫というカリスマが必要なのかもしれません。
責任感があって、自分の意志で決断して前に進めることができる方は、このタイプのPMとして大規模プロジェクトをまわせる素質がありそうです。
・コミュニケーション型
コミュニケーション型のPMは、プロジェクトの課題や問題もお客様や、会社の上役などと調整して問題ではない状態にしてしまうという特徴を持ちます。
・丁寧な上位報告・課題共有
・戦略的なネゴシエーション
・ステークフォルダー(お客様、上役)の指示を忠実に実行
プロジェクトの費用が不足する場合にはお金が、納期が厳しい場合には期間が、いつの間にか増えてプロジェクトは結果として成功したことになります。
いつの間にかプロジェクトで使えるお金が増えていたり、納期が延期されていたりで、このタイプのPMも数名知っていますが、マジックを見るようでいつも不思議でした。
(このタイプの注意点)
自ら決断して前に進めるよりは、周囲の意見を調整したうえでプロジェクトを進めるため、プロジェクトの進みが遅くなることもあります。
また、もちまえのコミュニケーション力を責任逃れにつかってしまうと、大PMにはなれず、小粒で終わります。
・技術力型
技術力型のPMは、技術的な課題でプロジェクトが進まないなど、プロジェクトが進まなくなる大きな原因をしめるケースをいつの間にか解決して、間に合わないと考えられていたプロジェクトを成功に導く力があります。
・高度なITスキル
・プロジェクトの内容にあわせた技術適用判断
・問題解決力
新規の技術を適用したり、技術的に難易度が高いプロジェクトをまわすためには、マネージャとして必要になることが多いです。
(このタイプの注意点)
PM1人の力で課題が解決できる間はいいものの、数億を超えてくると個人の力だけではプロジェクトは推進できなくなってきます。プロジェクトは結局人間が行うもののため、技術力だけでは大規模プロジェクトのPMは厳しく、他の人間力やコミュニケーション力も求められることになります。
チーム団結型
チーム団結型のPMは、とにかくメンバーに気を配って、チームメンバーとよく話し合いながらプロジェクトを前に進めます。先のコミュニケーション型を外部調整型とすれば、こちらは内部のモチベーションをあげることで、プロジェクトをやりきってしまうタイプです。
・おもいやり/気配りの心
・悩み相談役
・本人の努力・真摯な態度
プロジェクトが困っても、まわりに助けられてなんとか最後まで走り切ってしまうのがこのタイプに多いです。
(このタイプの注意点)
プロジェクトメンバーがどれだけ頑張ろうと、問題の状況により厳しい場合があります。
上位との調整がうまくいかないとか、メンバーを気にして指示しきれないとかが発生すると、プロジェクトは暗礁に乗り上げてしまいます。
プロジェクトマネージャになるために必要なスキル
ここまで、いろいろなタイプのプロジェクトマネージャーを見てきました。すべて実在している何人かのPMを思い描いて書きました。
みんな性格も違えば対応方法もかわってきて、同じ課題が発生してもみんな対応が違ってきます。
人間力型は、強引に上を説得、下に指示 して対応
コミュニケーション型は、上をうまく説得して、問題を納得させてしまい、費用追加や納期延長して対応
技術力型は、問題解決力で対応
チーム団結型は、メンバーに協力を仰ぎながら対応
やりかたは違うものの、最終的にはプロジェクトは無事たちあがっていきます。
人はみな違っていて、PMとして一人前になるまでにいろいろな経験をして得意なところを伸ばしてきているようです。
先ほど掲げた各型のPMの特徴をすべて完璧に兼ね備えているマネージャは見たことがなく、それぞれが自分の得意技で勝負しています。
プロジェクトマネジメント、PMで必要なスキルというと、PMBOKを勉強したり、見積もり方法を習得したり、プロジェクトの計画書の作り方、課題・コスト管理を学んだりとマネジメントのスキルに意識が向いてしまいます。
しかし、できるプロジェクトマネージャーは、それらのスキル以上に、人とのかかわりを大切にしているように思います。
プロジェクトを成功させるためには、自分の得意なスキルを磨き、人とのかかわりをひとつひとつ大切にしていくこと、これが大切なのだと、自分も複数プロジェクトを経験してきたなかで、強く感じています。
プロジェクトで困った時
これまでの自分の経験やノウハウをもとに、プロジェクトのコンサル、ご支援/PMO、プロジェクトマネージャの育成などを実施しております。
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