プロジェクトリーダーをはじめて任されたとき、さて最初に何をやればいいのか迷うことはあると思います。
やる気はあってモチベーションは高まっているのに、何をやればいいかがわからない。
リーダーだからメンバーに指示、でもどうやって? それよりも何をやらせればいいんだ?
とにかくまず何をやればいいのか、今回は自分がずっとやってきて、これをやるとプロジェクトがチームとして動き出すのに有効だと実感している内容を具体的にお伝えします。
はじめてのプロジェクトリーダー【最初にやること】
プロジェクトリーダーになってプロジェクトをけん引する、プロジェクトの中のチームリーダーでチームをけん引する、そんな立場になったら最初にやることは、
「チームメンバーをあつめたキックオフミーティング」
です。
TV会議などによるリモート参加でも問題はないですが、まずはこれからプロジェクトを進めるという意識を共有することが大切です。
キックオフミーティングでは、これからどのように自分のプロジェクト(チーム)を運営していくかをメンバーに共有するので、事前にリーダーとして準備しておくものはあります。それが下記の3つです。
・プロジェクト(チーム)の狙い・目標・リーダーの思い
・プロジェクト(チーム)の体制図
・プロジェクト(チーム)のスケジュール
この3つがなぜ必要なのかというと、これをやることで、次のリーダーの条件を示す第1歩になるからです。
プロジェクトをひっぱるリーダーの条件を3つ下記に示します。
・プロジェクトメンバーを最終目標まで先導する力がある
・プロジェクトメンバーを取りまとめる力がある
・プロジェクトメンバーに信頼される
プロジェクトマネージャーが、納期・品質・コストのマネジメントだとすると、リーダーはその名称が示す通り、プロジェクトを先頭になってリーディングするのが役割です。
そのためには、メンバーに信頼されて、メンバーがついてくるようでないとプロジェクトは失敗します。
プロジェクトのメンバーは、はじめて一緒に仕事をする人もいるでしょうから、この人についていっても大丈夫なのか、リーダーはどんな人なのだろうかと不安に思っているのです。
キックオフミーティングは、そんな不安を取り除くために、しっかりと、でも迅速に準備して、みんなの前でこれからプロジェクトを一緒にすすめていく、ということを宣言する場なのです。
その場で説明することが、先ほど準備すると書いた資料になります。
プロジェクト(チーム)の狙い・目標・リーダーの思い
このプロジェクト・チームが何を狙いにしているのかと最終ゴールを示します。
お客様が狙っていることをまず共有します。
このプロジェクトを達成することで、お客様は何が嬉しいのか、お客様の狙いが何なのかをしっかり伝えます。
プロジェクトの狙いが明確になっていないことが、プロジェクト失敗の大きな原因になっています。
顧客の狙いは全メンバーがしっかりと把握すべきです。
それに加えて、あなたが引っ張ろうとしているプロジェクトのチームは、何を狙いにしているのか。
これをチームリーダーとして考えて、自分の言葉で自分の思いとして、みんなに伝えることです。
例えば、チームみんなで、こんかいのプロジェクトでは、新しい●●●の技術を習得してその技術では会社の中ではどこにも負けない集団になる、とかです。
これをすることが、チームメンバーにプロジェクトを進めようという意識づけをするために必要になります。
プロジェクト(チーム)の体制図
チームリーダーとしての思い、覚悟の程を見せたら、プロジェクトのチームづくりが必要になります。
そこで、チームの全体像をチームメンバーで共有するために体制図を示します。
自分はリーダーなのだから、メンバーの上にしっかりと書きます。
その下にメンバーを、全員の名前をしっかりと書きます。
※数百人規模のチームの場合は書ききれずチーム名になってしまうかもしれませんが、数十人なら一人ずつ書くべきです。
そして、体制図は単に箱を線でつないだだけになりがちですが、何らかの形で役割を明示してください。
だれがどんな役割をもっているかを示すのです。
リーダーという役割は、そのプロジェクトチームをひっぱる責任をもつし、リーダー補佐がいれば、リーダーとの関係と何をする役割なのかを明確に書きます。
リーダー補佐の役割の例なら、
「チームミーティングの設定と連絡、課題管理フォロー(管理表更新と遅延フォロー)」とかです。
実際には、7,8人を超えた場合、チームはいくつかの役割単位に小さなチームにわかれるかもしれません。
その場合には、その単位をわかるように枠でくくり、小チームの役割を示すでも問題ありません。
「開発チーム:システムの設計・開発の実施」とかです。
役割も含めて体制図を示すことで、どのようなメンバーで今回のプロジェクトを実施するのか、メンバーのそれぞれの役割も意識して、お互いの位置づけも共有できることになります。
プロジェクト(チーム)のスケジュール
あわせて、プロジェクトのスケジュールも示してください。
体制図と役割を示すことで、お互いを認識しました。
それぞれの役割の人がいつ何をやることで目標を達成するのかを、スケジュールをひくことでメンバーに示します。
プロジェクトとしての期間を共有します。
最終ゴール、納期はいつか、その納期を達成するためのマイルストーン(重要なチェックポイント―設計完了とか、コーディング完了とか)は、いつなのか、
各メンバーがプロジェクトの中で、いつ何をやるのかを共有します。
体制図で示した役割の人が、どのタイミングで何をやっているのかをスケジュールで明示するのです。
これをすることで、あ、あのチームの人たちは、この時期こんなことをしてくれるんだ、自分たちはこれをやるのだなわかった!
ということがおおよそ共有できればいいと思います。
プロジェクトリーダーとして大切なこと
キックオフミーティングで、プロジェクトの狙いを自分の言葉で示し、体制図でチームの全体像を役割を示し、それをスケジュールに落として進め方を見せました。
これを短い間に準備して示したことが、先ほど書いたプロジェクトリーダーの3つの条件を満たしていることがわかるでしょうか。
・プロジェクトメンバーを最終目標まで先導する力がある。
→自分の思いをしっかりと語り、スケジュールで具体的な力をメンバーに示します。
・プロジェクトメンバーを取りまとめる力がある。
→ミーティングで説明したのと、体制図で役割をしっかり定義、スケジュールで実際にやってもらうように示している。
・プロジェクトメンバーに信頼される。
→自らが短期間で準備し、先導してキックオフミーティングを実施。
もちろん、資料の内容や実際の説明の場でしっかり発言することは、必要になります。
最初は100点にはならないかも知れませんが、やるかやらないかで2回目、3回目につながるかどうかが変わってきます。
まずは、第1歩。
やってみることからスタートです。
スケジュール立案については、別の記事で記載しております。
スケジュールには魂をこめろ【プロジェクトの計画立案の究極のコツ】
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