今回はちょっと趣向を変えて面接についてです。
僕は、新卒、中途、プロジェクトで一緒に仕事をする人に対して等、15年以上その採用の面接官をやってきました。
最初のころは一体何を質問すればいいのか全くわからず戸惑いばかりだったし、特に新卒の採用面接など全員が同じにしかみえませんでした。それが何年もやっていくうちに、何とかある程度は自信もって判断できるようになりましたので、そのときに学んだことについて書いてみたいと思います。
面接官ならこれを聞け【本質を見抜く質問のコツ】
本質を見抜く質問のポイントは一つです。
将来やりたいことではなく、その面接相手の過去の体験をたずねる、というものです。
理由は単純で、人間は簡単には変化できなくて、何か物事にあたるときには同じことを繰り返すからです。
そこで、面接のときの質問は、いつも同じになります。
「ここ数年でもっとも力をいれて実施したことについてご説明ください」
「最近一番苦労したことを教えてください。そこで発生した問題とそれにどう対応したかについて教えてください」
こんな質問をして、回答にたいしていくつかのやりとりをして見極めていくという流れになります。
問題とその対策をどうやってやったかがポイントですので、説明では問題が発生せずにいいことアピールだけになっていても、必ずきくようにしてください。最も力をいれてやっていることであれば、たいてい何かの問題・課題にはぶつかるはずです。
問題はありませんでしたと答えられたら、その人にとって簡単なことを繰り返しているだけで、おそらく成長してないのだろうと推測できます。
もちろん、将来に対する熱意も非常に重要なことなので、時間があれば希望などの将来のことも確認してもいいとは思いますが、過去の体験から判断することは確実に行う方が、面接における採用判断のミスは減ると思います。
面接時の質問のコツ(具体的なことをきくこと)
相手が話している内容が抽象的だったり詳しい内容まで話にでてこなかったときに、具体的な内容を確認するというのがコツです。
例えば、面接した人がもっとも学生時代にもっとも注力したのが料理でこんな話があったとします。
「料理が得意で興味をもったので、料理でがんばり、料理コンテストに参加して優勝しました」
という話を語ってくれたとしたら、「コンテストで優勝したんだすごいですね」で終わらせるのではなく、
得意料理、料理コンテストの主催者、参加人数、優勝したときの審査員のコメント、具体的に何の料理をつくって具体的な工夫したポイントなど、いくらでも質問することはあります。説明したときに話のなかった内容を質問時間に注意しながら確認すればいいのです。
具体的な質問をする理由は、相手がウソをついていないか確認したい、という理由ではありません。
真剣に取り組んでいない場合は、具体的には回答できない、という理由です。
もっとも注力した内容をたずねているのに、具体的に答えられないようでは正直何をやっても中途半端で理解できないと判断して間違いありません。「具体的に答えられない人は、ものごとに真剣に取り組んでいない!」これに気がついたとき、僕は面接官として採用するかどうかの判断を自信をもってやれるようになりました。
面接の質問のコツ(相手の何をききたいのかを考えて質問する)
面接は限られた時間の中で行わなければないので、有効に時間をつかわなければなならいです。そのためには、面接相手の何を把握したいのかをはっきり意識して、聞き出す内容に焦点を当てた質問をするのがポイントになります。
例えば、適正診断の結果でメンタル耐性が弱そうだということが点数にでていたとしたら、メンタル耐性・ストレス耐性を見極めるための質問をします。
「今までで一番大きな挫折はなんですか?どう乗り越えましたか?」
はなしをしていく中で、苦しかった時に眠れたかとか、頭が真っ白にならなかったかなど、状況に応じたやりとりをすればいいと思います。
面接で確認するポイント、逆に発言に注意すべきこと
質問で確認するポイント
中途採用やプロジェクトにアサインするメンバの場合には、業務遂行可能かをそのもっている技術、過去の実績などから判断すればいいですが、白紙状態の新卒採用などの場合にはそうはいきません。
先ほど、面接は確認すべき内容を意図して質問するという話を書きましたが、確認する内容とは例えば下記のようなものになります。自分はIT業界なのでそれにあわせた内容にしておりますが、業務によっては項目が変わることがあると思います。
志望動機
※入社希望の会社を把握して適切な動機で入社を希望しているか。入社希望の度合いも判断。
コミュニケーション力
職種への適正
※技術面だけではなく、社風にあうかも含めて総合的に判断
協調性
積極性・リーダーシップ
論理性
メンタル耐性
採用面接では発言に注意すべきこと
家庭環境や宗教、男女を差別するような質問など面接の場では注意すべき質問は結構あります。
注意すべき質問の例
「お父さんのご職業は?」
「何を信仰していますか?」
「結婚しても仕事はつづけますか?」
質問は慎重にする必要があります。
グループ討議等の面接で気をつけること
最近はグループで議論、ディベートなどをしてもらうなかで相手を判断する面接も多くなってきました。
そのときには、男性と比較して女性の方がすぐれているように見えがちですので注意してください。
実際に僕が面接をしたときも、8人の討論で、4人合格 男4 女性4 だったら、女性が4-0か3-1に見えてしまってました。
僕がおじさんで若い女性がおきにいりとか、そんな理由ではなくて、明らかに女性の方がコミュニケーション力が高いため、そう見えてしまいます。
面接官が1人ということはなく、いつも複数名でしたが、みな同じ意見になってしまいました。
太古から家を守り井戸端会議で鍛えてきた脳には、男性は勝てないので差別するわけではなく、グループ討議に惑わされることなく、コミュニケーション能力以外の部分もあわせて評価することが大切になります。
まとめ
面接の質問でもっとも重要なポイントは下の2つです。。
・過去の体験を確認する
・具体的な内容を確認する
質問は確認するポイントを意図して行う。
面接では質問してはいけないことがあるので注意する。
あなたの面接がもうひとつステップアップすることを願いながら、今回はここまでにします。