採用面接を長年やってきました。
その中で大切にすべきだと感じていることがいくつかあるので、今回はそれについて書いてます。
今の時代、大学生は4年で卒業する場合は、3年生の秋頃から、大学院に進学した場合でも大学院1年目から就職活動をするのが普通のようです。
確かに大学によっては、そうとうの対策をしているようで、特に面接対策についてはみんなが金太郎あめのように同じような答えをすることも多くなってきました。
大学がまるで、就職するための予備校と化しているようで、それも時代の流れなのかと思います。
もちろん、本来の目的に向かって研究しながら時代に合わせて就活支援にも力を入れているのだと思います。
採用面接で問われること
採用面接で大切にすることは、結局、
「自分という人間をしっかりと伝える!」
ということです。
面接官は、面接に来た人となりをみて採用を決めるので、当然といえば当然の話になります。
本来、面接に来た人からその人なりを引き出すのは採用面接官の役目だとは思うのですが、面接官がかならずしもそこまでのスキルがあるかはわかりません。
自分をしっかりと伝えるということが大切になります。
自分をしっかり使えるためには、伝えるものを持っている必要があります。
その使えるものを創り出すためには、面接本番までの残された期間で何をしたらいいのか。
採用面接前までに何をしてきたかが大切だということです。
採用有無は、面接のタイミングでは既に決まっているといっても過言ではないとすら思っています。
面接の場で緊張してしまって失敗するのか、というと業種にもよるかもしれませんが、まったく話せないなどでもない限り、緊張していて流暢に話せないからといって落ちることはないのではないかと思います。実際に、緊張してたからといって落としたことは自分はありません。
面接の事前準備が大切、でもこれは、練習をたくさんやるとか、エントリーシートの書き方をしっかり身に着けるとか、そんなことを言っているわけではありません。
「自分という人間をしっかりと伝える」ということを先ほど書きましたが、自分を伝えるために必要なことって?
大学生活で何を目標にして、何をやってきたか?ということなのです。
大学入学まで受験勉強を中心にやってきて、大学は4年間の休息期間と思い、もし何もやってきていなかったとしたら、自分を伝えるといわれても何を伝えるのか、ということになってしまいます。
逆に、
- 自分の将来何をやりたいのかが決まっていて、
- そのやりたいことにあう会社の採用面接を受けることになっていて、
- その方向性にあっていることを目指して行動してきて
- その行動の中で何らかの成果を出してきた、
という流れがあるのであれば、面接は何も恐れることはありません。
その成果が採用する側の企業が納得するものであったなら、落とされることはないと考えます。
このような学生生活で目的に向かって頑張ったという主張を聴くことは、正直非常に少ないです。
そうすると面接する側としては、この学生は、どんな人なんだろう、ちゃんとコミュニケーションとれるんだろうか、とかその会社が大切にしていることを中心に観察して、まあ採用しても作業はできるだろうという判断で採用せざるを得なくなります。
就職するというのは、人生の中ではひとつの大きな転機にはなりますが、それは面接というそれだけで決まるものではありません。
自分の人生をどのように生きてきたか、それを見られるものだと考えると勝負は面接の場ではないということです。
実際の面接官は何を考えているか、何を聞かれるかについては、別の記事も書いていますので興味があればご覧ください。
-
面接官ならこれをきけ【本質を見抜く質問のコツ】
今回はちょっと趣向を変えて面接についてです。 僕は、新卒、中途、プロジェクトで一緒に仕事をする人に対して等、15年以上その採用の ...
続きを見る
学生生活で何をやるか
でも実際にそうは言われても何を伝えればよいのか、何をすればよいのか、という人が多いと思います。
自分が学生だったときのことを考えても、大学入学時点で自分の将来ビジョンは描けてませんでした。
「将来やることを大学4年間で探すんだ」と恰好つけて言ってたような記憶があります。
結果としては、学生時代にPCを購入して、当時は珍しかったプログラミングにはまり、バイトまですることになり、そのままIT関連、システム開発に携わることになりましたが、たまたま見つかっただけでした。
見つけられずにブランドで会社を探すこともあると思います。
それでも、長い人生、問題はありません。入社した先で自分にあったものが見つかることも多いと思います。
学生時代に一生懸命やったことをたずねたときに多い回答
- バイト
- 大学等のサークル活動
- 大学のゼミ(学業)
- ボランティア活動
自分が面接官をやっていた2年ほど前までは、上記の4つがほとんどでした。
バイトが最も多くて、それも自分はIT関連の会社でしたけど、プログラミングとかWebデザインなどという少しでも関連するようなバイトをしていたという人は、過去数百人を面接した中でも、1人か2人いたかどうかです。
飲食店やイベント事業の手伝いという学生が多くいました。
そう考えると、新型コロナの影響もあるので、学生はバイトもなかなかなく場合によっては、大学を退学しないとならない学生もでているのが、なんとなく理解できます。
特に将来が明確になっていないのであれば、どれでもいいとは思います。
ポイントは、人より懸命にやっていて、その中で際立ったの成果をだせているかということです。
例えばイベント事業なら、実際にリーダーになって、自分でイベントをしきって30人をアルバイトをつかってイベントをさせた等。
ただし、嘘はまずわかります。
ちょっと経験のある面接菅だったなら、そのイベント名から、そこで発生した内容とかまで、具体的に確認します。
例えば社外秘で言えないことがあったとしても、具体的な細かい内容やその時の体験を確認すれば、真偽の見極めは正直できます。
バイトでの一例ですが、サークル活動-県大会優勝とか、ゼミやボランティアー参加した街おこしの大会で優勝するとか、成果があるものであれば、説得力はあります。
逆にいうと特に成果はなく、単にバイト頑張りました、長くやっていたのでリーダーやりました程度では、その他大勢にまぎれるのでアピールにはなりません。
他にはやってなかったのかな、と逆効果にすらなります。
ようするに、成果を出せるまで、できることを懸命に頑張ることが、将来のためにつながるのだと思っています。
少しハードルを上げすぎてしまっているかもしれませんが、希望する会社に着実に合格しようとおもうならば、何か差別化できるものが必要になります。
もちろん、やったことではなくて何か優れた技能、例えば接客で鍛えたコミュニケーション能力等、でも気を引くことはできるかもしれないのですが、よほどの才能に恵まれていない限りはきちんとやることをやってきた、というほうが評価は高いと思います。
学生時代に将来の方向性を見いだせた人であれば
将来について悩んだなかで、幸運にも自分の道と思えるものが見えてきた場合、やることは一つです。
その職業・道につながることを実際にやってみるのです。
例えば、先に話題にも出しましたが、IT関連に行きたい・興味がある、と思ったのであれば、実際にプログラミングとかWebデザインとかでお金を稼いでみるといいと思います。
思い立っても自分にあっていなければ、それもわかるから一石二鳥です。
その結果で、きちんと成果を出せて、その仕事が楽しかったらそのまま職業にしてしまえばいいわけです。
経験ないからできないかもと考える前に、できるかもと考えて行動してみれば、やれることはあるはずです。
是非がんばってください。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。