トヨタ 問題解決

トヨタ式問題解決の対策立案から継続的改善に向けて【このポイントをはずさなければ大丈夫!】

なぜなぜ分析が完了すれば、あとは対策立案から実行、結果がでたら評価、展開になります。

問題解決は、対策実施して解決したで終わらせるわけではありません。

目標をたてて実行した以上、きちんと評価して次につなげるのが、今後の成長・発展に重要になるのはいうまでもありません。

いわゆるPDCAは、サイクルをまわすことで継続的な発展につながっていきます。

今回は、問題解決における、対策立案から実施評価、次につなぐアクションまでをまとめました。

 

問題解決の評価と対策立案以降のポイント

PDCAサイクル

問題解決の対策立案から対策実施から定着展開までのポイント

問題解決は、下記8ステップで実施しますが、今回は対策実施から、定着展開を見ていきます。

問題発見 → 現状把握 → 目標設定 → 真因分析 →
対策立案 → 対策実施 → 結果評価 → 定着展開

それぞれのポイントは下記になります。

対策立案/対策実施のポイント
・真因がわかっていれば、その裏返しが対策となる
・複数の真因を解決するための対策が1つの場合もあるため、効率化を狙う
・対策に期間や工数、費用がかかる場合は、プロジェクトとして対応する

結果評価のポイント

・目標に対して評価を行う
・達成できていない目標も客観的に評価する
・目的や効果にたいしての実績、状況について言及する
・客観的・総合的な評価を3段階でまとめる(〇、△、×)

定着展開
・取組内容で他に展開(横展)すると効果があるものについて記載する
・他への展開の実施状況、今後の予定について記載する
・残課題を明示する
・残課題への対応

それぞれを詳細に見ていきます。

 

問題解決:対策立案/対策実施のポイント

・真因がわかっていれば、その裏返しが対策となる

なぜなぜ分析で、真因が特定されていれば、その真因を取り除けることがそのまま対策になります。

たとえば他社とのコンペで商品説明に行き、流れるように説明しても競合に負けて、熱意がなかったといわれたとします。

プレゼン担当者の部下に、「おまえの熱意がたらなかったんだ」と言っても、次に本当に熱意をもってもらえるかわかりません。

分析していったら真因が、「今回のコンペの重要性を理解できていなかった(説明していない)」と分かったとしたら、次回からコンペをお願いするときには、「コンペの重要性を説明する」という対策が加わります。

なぜなぜ分析については、別途説明しておりますので、そちらもご参考に。

トヨタ式問題解決は何が違う【なぜなぜ分析の事例紹介】

・複数の真因を解決するための対策が1つの場合もあるため、効率化を狙う

真因が複数になったときに、その複数の要因に対して、まとめて対策できることがあります。

上記の例で、コンペ受注ができなかった際、「コンペの対策検討の場がなかった」ことが、別の真因になっていたとしたら、裏返すと「対策検討の場を設ける」になるのですが、その場で、「コンペの重要性を説明する」も実施すれば、実際には検討会議の開催1回ですみます。

もちろん、実際の対策そのものは、「重要性の説明」「検討会実施」と2つが必要です。それなら、対策は別なのに、という反論が聞こえてきそうですが、あえてこのポイントをあげたのは、何かやるべき1つのことをやっていないからいろいろな問題が発生しているということが多いからです。

IT関係だと効率化というと、対策にツールを適用する、などとでてくることもよくあります。
そんなときは、複数の真因に一度に対策できる可能性もあるので、複数の真因を解決する機能をもつツールを導入するのが効率的ということになります。

 

・対策に期間や工数、費用がかかる場合は、プロジェクトとして対応する

実は問題解決の手法だけで、実際の対策実施そのものをサポートしているわけではありません。

対策実施そのものは、プロジェクトとしてマネジメントしていく必要があります。

計画をたてて、実行をコントロールして、やりきる。

問題解決は、プロジェクトのマネジメントとセットにすると、最大の効果を発揮することができます。

 

問題解決:結果評価のポイント

次に、結果評価のポイントです。

・目標に対して評価を行う

評価そのものは、目標に対して実施してください。

目標そのものは、具体的な数値で示すのが基本ですので、ここは客観的にその数値をクリアできているかいないかで評価します。
目標か3つあったら、個々の目標に対して、達成・未達成をそれぞれ評価します。

・達成できていない目標も客観的に評価する

例えば、「A部門の売上を120%にする」なら、単純に客観的に120%になったかどうかで評価してください。

達成できなかったことが問題ではなく、今回の対策だけでは期間内に達成できなかった、ということがわかることが大切です。

それがわかったという成果を残すためにも、問題解決のためには客観的な評価が必要です。

・目的や効果にたいしての実績、状況について言及する

目標は一定期間内でどこまで達成するかの指標ですので、本来の目的やより大きな目標に対して今回の活動がどう効果があったかの視点で状況をとらえてください。

例えば、部門売上120%の目標を達成したとして、実は会社の目標が「マザーズ一部上場」だったとしたら、それに対して今回どのように貢献したか、目的が「お客様貢献度の拡大」だとしたら、他社と比較しての会社の位置づけがどうかわったか、そういうひとつ上の視点で状況を把握することで、今回の改善でとどまらない次のステップが見えてきます。

・客観的・総合的な評価を3段階でまとめる(〇、△、×)

個別にできたできなかった、だけではなく、常に今回の活動全体でどうだったかの視点ももっての評価は大切です。

三段階(〇、△、×)くらいでバッサリ評価するのがわかりやすいです。

〇できた。
△ほぼできたが、一部未達成
×未達成

場合によっては、目標を大幅に超えて達成◎や、重要度の低いものが一部未達成を〇-や△+(まるマイナス、さんかくプラス)などの評価もありますが、◎はありとしても、〇-などは中途半端なので、バッサリでいいと思っています。

できなかったことを明確にして、次につなげた方が結果的には成長がおおきくなると考えているからです。

 

問題解決:定着展開

・取組内容で他に展開(横展)すると効果があるものについて記載する

トヨタでは、横展(横-関連するものに展開する)といわれていることです。

自分の部署で効果があったので、効果のありそうな他部署に展開する。

この障害対応は、類似の障害への対応ができそうなので、展開する。

などなど、1の効果が10にも20にもなるのがこの考え方です。

・他への展開の実施状況、今後の予定について記載する

横展を実施するとしても、今回の問題解決の範囲内とは限りません。

そのため、その横展の実施有無、実施するとしたら、いつまで・どのように、という予定を記載しておくべきです。
もちろん、既に実施している場合はその状況を伝えることで、追加効果も期待できます。

「今回の標準化への取組はB部署も同様の効果が期待できるため、4末に展開済み」
とかです。

上位や他部署の目にふれると、他の効果ある展開方法も見つかるかもしれません。

・残課題を明示する

これは継続改善に必要ですね。
言ってみれば、この課題を洗い出せたことが、ひとつの大きな成果です。

次の問題解決のひとつのテーマにもなります。

・残課題への対応

課題は出しっぱなしではNGなので、取組の予定(宣言だけでも)することで次につながります。

 

最後に

PDCAスパイラル

このような改善の繰り返しが、人や組織、企業の成長に直結していきます。

問題解決は、評価が〇ではない方が、次の成長の楽しみが広がります。

客観的な評価で継続的な発展を目指していけば、気づいたときには自分でも驚くような場所に立てたりしますね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

このサイトでは、問題解決、プロジェクトマネジメントなどを中心に情報を展開しています。
これからも、よろしくお願い致します。

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