プロジェクトマネジメントの標準といえば、PMBOKです。
今回は、そのPMBOK(ピンボック)について説明します。
いつもはシステム開発のプロジェクトによせていましたが、PMBOKはIT関連に限らず、プロジェクト全般に利用可能な標準となっています。
プロジェクトマネジメントを実行する上で必要な体系が網羅されていますので、プロマネがやることを広くとらえるには非常に役立つものとなっています。
PMBOK概要
PMBOKとは
PMBOKとは、Project Management Body of Knowledgeの頭文字をとってつけられたもので、ピンボックと読みます。
プロジェクトマネジメントのノウハウや手法を体系化しています。
アメリカ非営利団体のPMIが、ガイドをリリースして有名になり、プロジェクトマネジメントの標準として世界各国に浸透しています。
2020年5月現在では、2017年に出た第6版が最新版になっていて、その中には、「5つのプロセス」と「10個の知識エリア」として、プロジェクトマネジメントに必要な概念が体系だててまとめられています。
5つのプロセス
プロジェクトの最初から最後までの流れを「立ち上げ」、「計画」、「実行」、「監視・管理」、「終結」という5つのプロセスに分割しています。
プロジェクトのキックオフしたら、プロジェクト計画を立案、その後に実際にプロジェクトの実行・コントロールがあって、最後にプロジェクトのクロージングという流れになります。
それぞれのプロセスで実施することは下記になります。
・立上げ
プロジェクトを開始する必要性の明確化
組織としてプロジェクトに着手することの宣言
・計画
要求を満足するための実行可能な計画立案
計画を実行するための仕組みづくり
・実行
人及びその他資源を活用し、計画を実行
・監視・コントロール
進捗状況の監視・測定
予定と実績の相違の検出
改善と横展
・終結
プロジェクトの結果評価
顧客による検収の確認
プロジェクトの完了手続
10個の知識エリア
・プロジェクト統合マネジメント
・プロジェクトスコープマネジメント
・プロジェクトスケジュールマネジメント
・プロジェクトコストマネジメント
・プロジェクト品質マネジメント
・プロジェクト資源マネジメント
・プロジェクトコミュニケーションマネジメント
・プロジェクトリスクマネジメント
・プロジェクト調達マネジメント
・プロジェクトステークフォルダマネジメント
納期(スケジュールマネジメント)、品質(品質マネジメント)、コスト(コストマネジメント)およびプロジェクトを推進する、人(コミュニケーション)の4軸が中心になっています。
あわせて、それらに関連するマネジメントとして追加で、下記4つ。
スコープマネジメント(納期、品質、コスト)
資源マネジメント、調達マネジメント(コスト)
ステークフォルダマネジメント(人)
更に、全般に関係するものとして、下記2つ。
リスクマネジメント、統合マネジメント
のエリアで構成されています。
この知識エリアは、先の5つのプロセスで何を作成、管理すべきかという内容と関係づけられて定義されています。
PMBOKの実用性
PMBOKの実用性
PMBOKはプロジェクトの標準として世界中で認められているもので、必要なものは網羅されていますが、そのままでは実際のプロジェクトにはつかえません。
あくまでも一般的な知識体系なので、現場で活用するには実務の知識やツール、それに加えてプロジェクトを実施する組織内での運用が不可欠なのです。
現場で使えるようにするために必要な知識やツール、運用とはなんでしょうか。
システム開発を例にしてみます。
知識の例
システム開発のプロセス
システム開発に関する用語・技術の概念
ツールの例
進捗管理フォーマット
課題管理フォーマット、ツール
要員管理のフォーマット
コストの計算ツール
運用の例
プロジェクトを実施するための会社承認ルール
報告などのルール、慣例
パートナー会社との関係
上記については、一般的な側面とプロジェクト現場(会社や対お客様、パートナー会社様との関係)における特別ルールの2つの側面で把握しておく必要があります。
PMBOK関連の資格であるPMP試験は、取得数の伸び1位、年収への効果2位
プロジェクトマネージャーの資格としては、情報処理試験とPMP試験があります。
PMP試験について補足しておきます。
PMPとは、プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional)の頭文字をとっており、米国プロジェクトマネジメント協会であるPMIが認定するプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。
PMBOKガイドに基づいていて、プロジェクトマネジメントに関する一定水準のスキルがあることを資格として認定するものです。
日経コンピュータ(xTech)の2019年度の役立つIT資格ランキングだと取得率が最も伸びている資格になります(11位から7位)。
米グローバルナレッジの稼げるIT資格調査だと、2位(2018年度は3位)になっており、確かにプロマネができれば、所属している会社や扱える規模にはよるかもしれませんが、年収1000万円はいくのだと思われます。
頑張る価値はあるかもしれませんね。
今回はここまでにします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。