3月末から、予定の仕事が事実上なくなってるから、基本にたちかえろうと思います。
いま書いても説得力はないのですが、こうして仕事もらってたよなぁ、という話を、今回は思い出して書いてみます。
仕事のもらい方【プラスアルファの魔法】
プラスアルファの魔法
仕事をもらうのに効果的な、とっておきの方法とは、「プラスアルファの魔法」です。
ようするに、「お客様の期待以上のことをする!」ということで、ビジネス書ではよく書かれていることです。
有名なビジネス書だと、古典的名著である「思考は現実化する」とか「成功哲学」にも書いてあります。
「自分のして欲しいことは、何よりもまず、他人にしてあげること」
これをやれば、きっと仕事は何倍にもなって帰ってきます。
現実的に考えてみても、何かやってもらったら、その相手に対して好意を持つし、お返ししなきゃって思いませんか?
もしも、やってもらったことが、驚きになることだったら、もう返さずにはいられません。
サプライズです。
もちろん、サプライズするには、常に相手のことを考える必要はあります。
相手は今、何を望んでいるんだろう。相手は、これから何を欲しいって思うんだろう。
先読みもとても重要なことになります。
もちろん、返してもらおうなんて思っていたらそれが伝わるから、純粋に相手に対してやってあげよう、という気持ちが大切です。
家族や恋人に何かやってあげようという気持ちは、お返しを求めるものではないですよね。
それと同じで、お客さまのことをどれだけ考えて、やれるだけのことをやるか、それが、結果として仕事をもらうことにつながるものだと確信しています。
プラスアルファの魔法:ある大規模プロジェクトでインフラ系のPMになったときのこと
ひとつ、僕の経験談を書きます。
システム基盤の大規模プロジェクトに参画
僕は、僕はトヨタ系のITの会社で働いていて、トヨタ自動車の業務アプリケーションを開発するための共通的な部品(フレームワークってやつです)の開発をもっとも長くやってました。
かなり大規模なプロジェクトの共通部品・基盤の開発にはいりこみます。
業務アプリケーションの開発より、多少技術的な要素の強い部分なので、その多くは大手の開発ベンダーさん(例えば、富士通、NEC、日立)とかの方が、バックグランドもあるし、会社としても強いので、そちらの方をマネージャーにする話が、当時はよくでてました。というかそれが普通でした。
ある時、あるプロジェクトに呼ばれました。数十億のプロジェクトなので、1年半から2年は続くもので、そのプロジェクトの企画段階で、はじまって数週間というタイミングでした。
ただ、既にその時には某大手ベンダーの優秀どころが先に来ています。
周囲はその方が、共通部分、インフラ部分をしきるのだと考えています。
業務的な部分は僕が属していた系列の会社で開発するので、さしずめ僕は、その会社と当時自分がはたらいていた会社との間の橋渡し役です。
もっといえば、開発が終わったら、保守だけのために残るチームのリーダーくらいが想定されていたと思います。
実際、技術的要素が強い部分については、保守だけ引き継ぎということが、ずっと繰り返されてました。
新しいことは他の人がやって、できたものをもらうだけ。もちろんそこにも面白みはあるのでしょうけど、僕だけではなく自分のしたにいる数名のメンバーも、自分たちでやりたいと思ってそうでした。
僕もそういう会社にいたこともあるので、技術的な総合力では相手が上なのはよくわかります。
なにせ、技術面でサポートしてくれる人が、バックにたくさんいるのです。
仕事の取り方:相手の望んでいることをやる
プロジェクトははじまったばかりの企画段階です。
技術的な部分はさておき、お客様の担当の方が次にやることはよくわかります。
システム開発の企画書をA3(トヨタは紙一枚の文化なので)で書くことです。
先回りしてデータを全部揃えました。
システムの全体図、プロジェクトの体制図、要員計画、大日程計画
企画書を全部書いてしまうと担当の方の仕事を奪うことになってしまうので、データとしては全部使える形にして、報告のタイミングでご担当の方に提案しました。
「え、こんなことやってって頼んだ?」
「いえ、でも必要だと思いましたので、問題なければお使いください」
「うん、ありがとう」
その後、その内容は、念のため自分の会社の上司に報告しておきました。
その内容とは、体制図のインフラ部分のリーダー(PM)に、自分の名前を書いて、それにあわせたスケジュールや要員計画を出したということです。
僕が渡した資料を、並べなおせば企画書はできあがります。
もっとも、どうしても大手ベンダーにまわすということであれば、渡したものを使わずに全部考えて作り直せばいいだけです。
ただし、それまでのお互いの仕事での関係、先回りして代わりに仕事をしたこと等から、おそらく僕の提案のままで出してくれると確信していました。
仕事の取り方:逆境をのりこえろ
それから2週間後くらいに、お客さまのご担当の方から、関係各社にプロジェクトの体制や進め方の展開の場が設けられました。
企画書の素案を出してから、お客様からは僕には特に何かを伝えられることはなかったので、やはりインフラ部分は大手にまわるのかな、とも半分は考えましたが、プロジェクトの体制図には自分の名前がはっきり、インフラのリーダーとしてはいっていました。
自分の隣に上司が、その隣にその上役がいて、その人の顔つきが、はっきり変わったのを覚えています。
僕にはっきり聞こえるようにいわれました「こいつじゃ、ムリだ」
お客様は説明を続けます。他社の方もいるし、ご担当者の顔をつぶすわけにもいかないから、話はそのまま進みました。
おそらく会議後にいろいろ調整がはいったかとは思いますが、結局はその提案のまま進むことに。
自分の上司の方が動いてくれたとは思います。
その後、しばらくの間は上の偉い人は話もしてくれなくなりましたが、半年くらいして、難易度が高かったそのプロジェクトも何とか軌道に乗り出してからは、以前に増して話をしてくれるようになりました。
正直、難易度が高いプロジェクトでしたし、そんな手段ではいりこんだので、かなり努力はしました。
自分じゃできない部分は、大手ベンダー(企画の時にいたマネージャーの方はいなくなってしまったので、他の大手ベンダーをくみました)の力をお借りしたし、自分の力不足は、社員を何人かひっぱってきて一緒に対応しました。
1年半後、無理だといわれていたそのプロジェクトがなんとか立ち上がります。
プラスアルファをやることで、仕事を引き寄せることができた、僕の経験した一つの事例です。
また、人や環境が変わろうとするときは、障害というか人の反対が発生するというのも、わかる例かと思います。
「あいつじゃ無理だ」
変化が訪れる時、その言葉が、いたるところで繰り返されます。
人間は今の状態が変わらないことを本能的に望むのだと感じます。
でも、それを乗り越えた後にしか、次への成長・発展はないものだと思います。
今回はここまでにします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。